2017年09月19日

苔のむすまで 杉本博司

こんにちは、ディライブです。
本のご紹介です。

杉本博司さん著、「苔のむすまで」です。



いやー、久しぶりに良い本を読みました。
おすすめです。

杉本さんを今まで全く知らなかったのですが、写真家で今は現代美術家という肩書が
よく見受けられますので、そちらの理解でいいと思います。

この本は連載をまとめられたものですので、一章(数字ではなく、それぞれ題がある)毎に
読めるので、読みやすいです。

美術的な要素を歴史、哲学的に論じています。
特に歴史からのアプローチがとても面白く、造詣の深さが伝わってきます。

改めて、自分の教養のなさを思い知らされました(笑)
(やっぱりモノを知っていると違う楽しみ方ができますね)

連載という形式をまとめたものなので、一定の方向性があるものの、
様々なものが取り上げられており、飽きさせません。

例えば、「不埒王の生涯」という話ではイギリスのヘンリー8世について、
書かれています。ほとんど知らなかったのですが、不埒の裏に見える
当時のヨーロッパ社会が面白かったです。

そう感じることで、一つ気づきを得ることができました。
最近、情報を多く取得することに傾いていたなぁと。

人より先んじて、多く得ることが何か利益を産むような、
多く知っていることが、何か秀でているような、
そんな錯覚を持っていたような気がします。

この方の文章には、「間」があります。

その「間」を使って、芸術の世界に、歴史の中にダイブしてみてください。
広く浅い世界ではなく、深い世界に飛び込んでみてください。

誰もあまり行かないところだからこそ、得るものがあるはずです。
おすすめです。一読の価値はあります。

レヴィストロースが、「芸術は贈与である」という言葉を残していますが、
もし、その言葉が本当であるならば、この本は私にとっては立派な芸術です。

追伸:元寇についての記述があります。一応、最新の研究ではいわゆる「神風」は、
   元の軍勢が引き上げる時に起きたもので、あの暴風雨でやっつけたわけではないと
   言われています。

   歴史の受け取り方一つで、人間の考え方も変わるので、ご注意を。
posted by ディライブ at 11:15| Comment(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月16日

あるかしら書店 ヨシタケシンスケ

こんにちは、ディライブです。
本のご紹介です。

ヨシタケシンスケさんの「あるかしら書店」です。



私は、ヨシタケシンスケさんの作品が好きで、特に
「しかもフタが無い」の犬の耳を回す絵が大好きです。

知り合いにその良さを説明したことがありますが、
あまり賛同してもらえません(笑)

ですが、それをみて天才だと思いました。
その天才が書いた新作なので、楽しみにして読みましたが、
はじめて最後まで読めませんでした。

       ショックでした。

確かにヨシタケシンスケさんの絵で、それなりの内容が書かれています。
でも、すごく「仕事感」が出ていて、読んでいてちょっと辛くなってきました。

編集者にお題を出されて、無理やり答えを出した大喜利みたいな感じです。
余韻を感じることができません。

この人の作品には、適度な幼稚さがあり、それは自分が過去に持っていたものへの
ノスタルジイであったり、現在、大人として子供を見る時のデジャヴ感であったり、
何も知らないからこそ持てた発想の自由さであったりして、

自分の持っている感覚を再発見したり、パラレルワールドに連れていってくれたりして、
楽しませてくれていました。それがこの本にはないのです。

もちろん、楽しむことができている人も多数いるでしょうから、
お読みになるのは結構ですが、正直、こういった作品はあまり作って欲しくないです。
まぁ、一ファンの愚痴ですが(笑)

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2017年09月01日

敏感にもほどがある

こんにちは、ディライブです。
本のご紹介です。

高橋 敦さん著、「敏感にもほどがある」です。



最近、少しずつ認知されつつあるHSPに関する本です。
HSPというのは、

この本の著者であるアーロン博士が提唱したもので、
何でも敏感に反応してしまう気質のことです。

5人に1人ぐらいいるそうです。

どうもうまく社会や世の中になじめない。
ちょっと変わっていると言われる。
もしくは、大切な人が全く理解できない。

などがある人は読んでみてもいいかもしれません。

「敏感にもほどがある」の方は、4コマ漫画も載っており、
すんなり読めます。ブログ記事を一つずつ読む感じです。
ただ、読みながら敏感というよりも、すっごく
「善悪思考」で生きている人という印象を感じました。

感覚的に鋭敏だという感じはしなくて、むしろ思考をしつづけている人が
書いた本という気がします。もしくは、単なるバイアス思考。

タイプ別をあげつらう感じは、個人的に危険性をはらんでいる気がします。

でも、読後に思ったのが、許し、認め、愛することだなぁと思いました。
どんな人間かを気にしている限り、どうにもなりません。
他人に優しくなる前に、まずは自分を許すことをお勧めします。
どんな自分でも。

まぁ、読んでも読まなくてもいいです。



あ、アーロン博士の方は、読んでもいいかもしれません。
posted by ディライブ at 22:42| Comment(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする